地震の直後、銀座の街から殆どのブランドがいなくなった。
1週間ほどで店の営業は再開したようだが、欧米プランドの外国人は日本を離れて本国に帰った人も多かったようだ。
地震前でさえ、ベルサーチの様に日本撤退という結論をつけたところもあるが、今回の地震によってその流れが加速され、銀座の街が歯抜けにならない事を望みたい。
以前、銀座の商店街のある幹部の人と話をした時に、「外資系がどんどん銀座に入ってくると、見た目は確かに華やかで良いのだが、日本の、東京の中心としての商店街の銀座というものをを本当に理解して入ってくれないと、引く時もあっという間で、そうなると銀座そのものの外観も、商店街としての体制も破壊されてしまう。だから本当は銀座は、銀座というものを判っている日本人の誇りを持っている人に店を出して貰いたいのがホンネだ。残念ながらそういった日本の企業に元気がないので、致し方ないのはとても悔しい。」
と聞いたことがあるが、恐らく昔からの銀座を動かしてきた人々のホンネだろう。
自由経済の原則からは勿論、売れるだろう場所に資金や人を注入するのは間違いではないし、採算が合わなければ撤退するのも当然ではある。バブルの頃は日本も欧米で同じ事をしてきたのだが、内外を問わず根本の問題点は、メーカーが物を作りすぎ、必要以上の物を宣伝力、マーケティング力で売ろうとしてきたことだろう。
本当はこういった時でも、日本の経済が止まらないように、金銭的に使える人はこういった銀座のブランドショップや百貨店でもでもいいし、自分の好きな事、物、外食でもいいので、お金を使って貰いたいと思うのだが、これから特に物に対しての価値観が変わってくるのは間違いないだろうし、マーケティングだけで物を売ろうとする事にも限界が見えてきている。
人間は生きて行かなくてはならないのだから、物、心両面から何が一番必要なのか?大切なのか?を被災に直接遭った人以外ももっと考える事が必要だろう。